【バイナンス CEO CZ 独占インタビュー】~ これまでの軌跡とバイナンスの今後 ~ @Consensus シンガポール 2018

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2018919-20日にかけてシンガポールマリーナベイサンズにて行われた、Consensus Singapore 2018の初日のハイライトは、世界最大の仮想通貨取引所BinanceCEOChangpeng Zhao(通称CZ)の公演となりました。

BitPRチームはCZ登壇の直前に独占インタビューを行いました。

記事の最後にその動画と書き起こしを掲載しましたので、是非最後まで御覧ください!

コンセンサスシンガポールにて、CZは、世界最大の仮想通貨メディアCoinDeskの編集長Pete Rizzolhttps://twitter.com/pete_rizzo_)氏とのセッションを通して、バイナンスが世界最大の仮想通貨取引所を作るに至った軌跡や成功の秘訣を語りました。そして、バイナンスが現在取り組んでいる法定通貨と仮想通貨取引所の展望についても話をしてくれました。

次の3点はBinanceが世界最大の仮想通貨取引所であることを事実ベースで端的に表現しています。

  • 2018918日のバイナンスの取引高は11.7USドル(1287億円)を達成。一日に10USドル(1100)以上の取引高を達成した唯一の取引所。
  • 2017年にICOを実施、自社トークンのBinance Coin (BNB)を販売、1500万ドル(16.5億円)を調達。20189月時点でBNBの時価総額は11.6億ドル(1276億円)に上昇。
  • バイナンスは現在180カ国のユーザーに向けてサービスを提供。世界最大のユーザーベースを保有。

ここからは、ステージ上で行われた、CZPete Rizzoのやり取りを以下に要約しました。

バイナンスを立ち上げるに至った経緯

バイナンスはCZにとって最初の取引所事業ではありませんでした。

何かのスペシャリストになるためには1万時間かけないといけないという話がありますが、CZはバイナンスを立ち上げるのに取引所関連事業に2万時間費やしたと言います。

CZはバイナンスを立ち上げる以前はBlockchain.infoOKCoin等のスタートアップに関わり、ブロックチェーン、取引所、仮想通貨に関する知識や知見を習得しました。

その後、20152月から2年間自発的に何もしない期間を作り、そのモラトリアムとも呼べる期間に次に取り組むべきプロジェクトは何にするか考えたそうです。

彼は、当初日本で仮想通貨取引所を立ち上げようと考えたそうですが、日本でマーケティングを行うための人脈を持っていませんでした。

その頃、中国とアジア各国で仮想通貨取引所の需要が増えていることを知り、そのチャンスにかけ、まずはB2Bの取引サービスを立ち上げました。

後に、それが現在の仮想通貨取引所としてのバイナンスになりました。

立ち上げたタイミングが絶妙で、CZが仮想通貨取引所を立ち上げた時点では、まだアルトコイン市場は小さかったのですが、2017年後半に大きな波が訪れました。

このタイミングと同じ時期に、中国政府が規制をかけ、国内の多くの取引所を閉鎖に追い込みました。そこで空いた大きな隙間をバイナンスが埋める形となりました。

現在、バイナンスは仮想通貨業界で最大の取引所となりました。

バイナンスが大成功した、その秘訣とは?

世界中で信頼されるバイナンスの技術とその実行力には疑いの余地がありません。

ただ、CZが強調した最大要素の一つが「運」でした。CZが述べた印象的な表現の一つは、

「バイナンスは適切なタイミングで、適切な事を実行しました。場所を除いて


というものでした。(「場所を除いて・・・」とは過去にバイナンスは幾度も拠点の移動を強いられた過去を示唆しています)

CZが指摘したもう一つの柱が、「良い価値観」「道徳的な行動」です。バイナンスのユーザーを守るために、適切な判断をし、時に自分達に厳しい判断も下す事です。

彼が述べた一つの良い例があります。20179月、中国政府が国内の仮想通貨取引を事実上停止させ、ICOを実施したプロジェクトに資金の返金を求めた際、バイナンスでICOをしたプロジェクトの一部が調達した資金を返金できなくなっていました。バイナンスはユーザーの保護を優先し、自らの負担で不足分の補填を行いました。

結果としてバイナンスに600万ドル(6.6億円)の損害となりました。当時BNBトークンのICO1500万ドル(16.5億円)を調達した矢先だったため、これはバイナンスにとっても決して小さい金額ではなかった事が分かります。ただ、それでも道徳的に正しい選択をすることをこだわりました。

バイナンスが法定通貨(フィアット)対仮想通貨の取引所を立ち上げる意義と規制への対応

CZは昨今、バイナンスが法定通貨(フィアット)対仮想通貨取引所を立ち上げる事を発表しました。

ただ、この取り組みはバイナンスのコア事業である仮想通貨対仮想通貨の取引事業から離れることを意図するものではないとCZは強調しています。

法定通貨に対応した新しい取引所はバイナンスのコアサービスである仮想通貨対仮想通貨の取引ビジネスを補完するものです。

現在、世界に存在する価値の多くは法定通貨で保有されている為、法定通貨から仮想通貨に価値の移転を行う機能をサービスとして持つ事は、戦略上理にかなっているとCZは強調します。

ただ、同時に法定通貨を扱う方がより大変であるとも述べています。バイナンスは弁護士やロビイストと協力し、直面している規制や障害の緩和に取り組んでいます。

規制について、バイナンスはなるべく多くの国の当局とやり取りし、多くの国で法令遵守し、運営していく事を目指しています。

現在はマルタやシンガポールと言った、明確な法律が存在し、政府からのサポートが受けられる、実現性が高い国を優先して取り組んでいます。

機関投資家の資金を如何に仮想通貨市場に取り込むか?

CZは機関投資家に向け、より多くのサービスを展開する必要があると考えています。

これを達成するためには、仮想通貨のカストディー、保険、ステーブルコインの推進が必要だと言います。

これらのソリューションは既に業界内でも登場して来ています。

長期的にバイナンスは、カストディー業務を外部機関に委ね、機関投資家向けのサービスに集中したいと考えているそうです。

未来のトークンや取引所のカタチとは?

CZは将来、何千個ものブロックチェーンと無数のトークンが共存すると考えています。

今後、無数のトークンが登場した場合に、取引所はこれらのトークンの取引が行えるように対応する必要があります。

取引所がこれを如何に達成するのか、そして分散型取引所がこの役目を担うのかも含め、今後、注目する必要があります。

仮想通貨市場はまた盛り返すのか?

CZは取引所のトップとして市場の予想をすることは避けたいと述べました。

その中でも、彼が言及したのは、ビットコイン(BTC)が今年1年を通して、重要なサポートレベルである6000ドル(66万円)を守り続けていること、そして、週足で見るとダウントレンドにはいないということです。また、CZ自身は、あまり価格を気にしていないと述べました。

彼は自らの実体験として、ビットコインが600ドル(6.6万円)台の時に自身の家を売り、その資金でビットコインに再投資をしたそうです。

その直後、ビットコインは200ドル(2.2万円)まで落ち込み、しばらく価格は上昇しませんでした。この間CZは売らなかったと言います。

結果論ではありますが、彼は自らの教訓を持って、「一時的な価格の落ち込みはあまり気にする必要は無い」と発言しました。

バイナンスは1年後どうなっているのか

5-10種類の法定通貨を扱う仮想通貨取引所を設立し、それぞれの大陸(北米を除く)2つずつの取引所を作ることを述べました。

CZ独占インタビュー by BitPR

質問:トークンエコノミーのエコシステムを実現し、世の中にトークンが浸透する上での最大のボトルネックはなんですか?

CZ:いくつかあると考えています。最も重要なのはアプリケーションを開発し、普及を促進することだと考えています。人々が日常で利用できる優れたアプリケーションをいくつも用意する必要があると考えています。それによって普及が進むと考えています。現状この業界は十分に成熟していません。そして、キラーアプリが不足しています。1000万人や10億人以上のユーザーを抱えるようなアプリケーションが不足しています。このようなアプリケーションをブロックチェーン上で開発していく必要があります。

質問:それはアプリケーションの問題ですか?ブロックチェーンの問題ですか?

CZ:実はどちらもです。現在のブロックチェーンは10億人に対応できるスピードではありません。まったく追いついていません。現在最も利用されているブロックチェーンはとても混雑しています。ビットコインとイーサリアムです。そのため、更に高速なブロックチェーンが必要です。これらのブロックチェーンは現在開発されています。これからより早いブロックチェーンが登場します。そのため、現在存在する問題は解決するでしょう。

質問:マルタでセキュリティトークンの取引所を立ち上げるというプレスリリースを拝見しました。今後ユーティリティトークンとセキュリティトークンはどのように共存すると思いますか?

CZ:基本的にユーティリティとセキュリティトークンの違いに関して、我々は”スクエアコンセプト”で考えようとしています。直線的で段階的に変化するものにフィットさせようとしています。白黒付けられるものではありません。セキュリティとユーティリティトークンの定義はこれから決定される必要があります。セキュリティトークンの定義は共有する部分がたくさんあるものの、それぞれの国で異なります。これは証券該当性を様々な方法で確認できることからもわかります。そのため、これらを分類するのは難しいと思います。どこからの規制期間がこれから分類をするでしょう。そのインパクトは大きな物になります。総括としては、これから更に多くのトークンが登場すると思います。セキュリティや、ユーティリティに関わらず、もっと多くのトークンが出てきます。

質問:バイナンスは今後マルタのエコシステムをどのように変えていく予定ですか?

CZ:我々は現在取引所をやっていますが、現在は仮想通貨対仮想通貨の取引所を運営しています。現在マルタの証券取引所と二つのパートナーシップを進めています。一つ目のパートナーシップは中央集権的なセキュリティトークン取引所です。こちらは現在存在する証券のモデル似ていると思います。もう一つのパートナーシップはマルタの証券取引所とNeufundとの三者間でのパートナーシップで、非中央集権型の証券取引を目指します。現在、何ができるのか、何ができないのか、何をするべきか、何をしないべきか話し合って、検討中です。まだはじまったばかりです。これらの二つのライセンスで様々なクリエイティブな事ができると思います。楽しみですね。

質問:バイナンスは最近バイナンスラボ(Binance Labs)を立ち上げました。どのような目的を持っていますか?またどのようにバイナンスのプラットフォームに組み込まれますか?

CZ:エコシステムを作りたいと考えています。我々は取引所の運営しか知らないので、バイナンスラボではほかの事業に投資します。エコシステムに欠かせないのに、我々がまだ知らない事業です。例えばウォレット、ペイメント、あとその他のもっとクリエイティブなブロックチェーンへの投資も含まれます。我々が知らない事がたくさん世の中にはあります。我々は資本、トークンエコノミーに関する経験で貢献したいと考えています。その他にも我々のトークン取扱能力によって流動性を与えます。そのため、我々はこの業界を成長させたいと考えています。この界隈でインフラサービスを提供する事業に投資したいと考えています。これが我々のミッションです。

質問:5年後のバイナンスのビジョンを教えてください。

CZ:我々にとっては単純です。我々は弊社が持つコアビジネスの取引事業に集中し、継続していきたいと考えています。我々としては、最も真面目で、最も道徳的、最も公平で、高セキュリティな取引所として継続して運営します。またこの界隈のキープレーヤーとして残っていきたいと思います。理想的にはこの業界の関連分野も挑戦したいと思います。例えば、ウォレットや、ペイメントです。そのため、この関連領域を試そうと考えています。最終的にこれらのどれかが残ればと思います。この領域において、いくつか主要インフラサービスを提供できるようになれればと思います。我々が目指すのはそれだけです。

以上です!BitPRは他にもコンセンサスシンガポールに関する記事をリリースしていく予定です!

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