CEZEX : フィリピン拠点のデジタルアセット取引所があらゆるトークン化されたアセットクラスのトレードを可能にする

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トークン化された証券の取引所の必要性

台湾に拠点を置くブロックチェーンのアドバイザリー兼コンサルティング企業であるInbase Partnersが、2018年末までにフィリピンで認可されたデジタルアセット取引所のCEZEXを立ち上げます。CEZEXは規制されたセキュリティトークンを取り扱う、アジアで初めての認可済みセキュリティトークンエクスチェンジになろうとしています。

Inbase PartnersのマネージングパートナーであるCarlos Salas氏によれば、「CEZEXはシンガポールや香港、ニューヨークにある伝統的な証券取引所と変わりはありません。ただ唯一の違いは、現実世界の資産に裏付けされたデジタルトークンのみをトレード対象として取り扱っているという点です。」ということです。

2018年に、ICOを通じて販売されるユーティリティトークンによる資金調達が急激に減少したことを受け、よりいっそう投資家を保護し、裏付けされる資産やそのビジネスにトークンを紐づけるポテンシャルを持つセキュリティトークンへとトレンドが移っています。

同じくInbase PartnersのマネージングパートナーであるStephen Lynch氏は、「ICOが台頭する中で、ホワイトペーパーは非常に聞こえの良いストーリーを伝えていました。

それらのいくつかは素晴らしいビジネスでしたが、それは文字通り『あなたの資金を私に寄付して頂ければ、”きっと” 私は約束しているものをお届けすることが出来るでしょう』という類のものであり、仮に上手くいかなかったとしても、投資家は何の法的手段も取ることが出来ませんでした。」と述べています。

Inbase PartnersのマネージングパートナーのCarlos Salas氏(右)とStephen Lynch氏(左)

出典:www.inbasepartners.com

業界の流れが投資家の保護を行う、規制に対応したセキュリティトークンへとシフトすることを見越して、Inbase Partnersは企業の株式を含むトークナイズされたアセットの取引を対象とする取引所であるCEZEXの設立パートナーとなりました。
「機関投資家の資金が市場に流入し始めるにつれ、コンプライアンスや資金調達に求められる基準はより厳しくなりました。 業界は、ユーティリティトークンモデルから、規制を遵守するアセットバックな資産であるセキュリティトークンモデルに移行しています。」とSalas氏は述べています。

セキュリティトークンを組成することは難しくありません。しかし、規制に対応しつつ、セキュリティトークンを上場し、取引機能を提供する場所はほとんどありません。
「企業が、認可されたセキュリティ・トークン・オファリング(STO)を行い、それらについての法整備やアセットバック型トークンの組成を行う時、いったい投資家たちは何が出来るのでしょうか。私たちはCEZEXの設立パートナーになったことで、セキュリティトークンの流動性を作り出すことが出来ました。」とLynch氏は述べます。

CEZEXはフィリピンに拠点を構え、独自のレギュレーションを施行/運用することが出来る準自治地域であるカガヤン特別経済地区(CEZA)に拠点を置いています。CEZEXは地方自治体と協力し、投資家や発行体にとって高い安全基準を維持しながら、独自に、この特殊な取引に関する規制を制定するサポートを行っています。

CEZEXで何が取引できるのか?

CEZEXはブロックチェーンに関するスタートアップのセキュリティトークンを上場するだけではありません。この取引所は最終的に、殆ど全てのアセットクラス(例えば証券やコモディティ)がトークン化されること、そして、それらの取引市場を提供します。このトークンは裏付けされる資産やデリバティブに対する請求権を意味します。

2018年末に取引所がローンチされる際、以下のトークン化されたアセットが取引可能になります。:

  • デリバティブ:トークナイズされた証券(従来型の取引所にて取引された株式やプライベートエクイティ)、CFD、金や銀に基づくトークン化されたコモディティ・デリバティブなど。
  •  通貨:従来型の通貨(法定通貨)、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアムなど上位10以内の仮想通貨。
  •  セキュリティトークン:ブロックチェーン企業によって発行されたセキュリティトークン。CEZEXはセキュリティトークンのセカンダリー取引だけでなく、STOのイニシャルオファリングも実施可能です。

CEZEXでは従来型の通貨と仮想通貨の取引を行うことが可能です

例えば、実際の金や銀に関する契約など、実体を持つコモディティの取引は2019年の第2四半期から第3四半期に予定されています。他のアセットクラスは、その後、随時対応予定です。

CEZEXはいかなるトークン化されたアセットクラスも上場することが出来るため、従来の投資におけるいくつかの問題点を解決することが出来るとしています。

流動性の低いアセットの流動性の創出

例えば、不動産は完成までに何年もの時間がかかり、適切な買い手を見つけ、最大収益を生み出す時点でイグジットすることが難しいです。不動産をトークン化することで、フラクショナル(分割)・オーナーシップを与えることが可能になります。そのことで流動性が生まれ、より幅広い投資家の参加を可能にし、価値を最大化することが出来ます。

一般投資家に特別な投資機会へのアクセスを提供

例えばベンチャーキャピタル(VC)は従来、一定の財産や収入の基準を満たす経済的に豊かな投資家にアクセスが限定されていました。また、6〜7年間といった長期のロックアップ期間が設定されています。これをトークン化することで、小口の投資家(トークン保有者)が取引所でトークンを売却することによって、より柔軟にイグジットすることが可能となります。

セキュリティトークンの上場基準

CEZEXはセキュリティトークンを発行したいと考える企業に対し、厳格な上場基準を適用しています。彼らの求める企業は以下の条件を満たすものです。:

  • そのアセットクラス内で優位性を持ち、投資価値を提供すること
  • 収益性や配当実績が過去にあること
  • 確固たるチームを持つこと
  • アーリーステージのスタートアップではないこと

セキュリティトークンをCEZEX上で上場している企業は、取引所のユーザーが収益性について実績がある証券に参加できるようにすることが理想的です。

CEZEXのアドバイザーとしてInbase Partnersは、上場候補を提案する可能性があります。

リテールと機関投資家への開放

CEZEXは一般投資家と機関投資家のどちらへもオープンです。一般投資家と機関投資家はCEZEXへ直接サインアップするか、もしくはCEZEXと結びついている仲介ディーラーを通して取引することが出来ます。

CEZEXは、投資家を取引所へ呼び込むために、シンガポールに拠点を置く仮想通貨取引所Coinhakoなどの、流動性プロバイダーと提携しています。また、一般投資家や機関投資家を将来的に呼び込むことが出来る仲買ディーラーとも提携しています。

CEZEXはKYC(本人確認)を行えば、(米国国務省が制裁を発動している国を除く)ほとんどの国の投資家に開放されています。

Binance(バイナンス)との競争

CEZEXは、マルタにて計画が進行中のBinanceのセキュリティトークン取引所との競争については心配していません。Salas氏は、「Binanceの取り組みはEUの規制当局の下で、マルタ証券取引所とのジョイントベンチャーによるものです。そのため、BinanceはEUの規制当局に従わなくてはならないのです。」と述べました。

これはもしかすると、長期的なプロセスとなるかもしれません。Salas氏によると、CEZEXはフィリピンの規制当局が必要な規制を整備するのをサポートしたことにより、Binanceよりも先に設立し、投資者と発行者に高いレベルの保護を提供することで、ユーザーを惹きつけられる可能性があると言うことです。

セキュリティトークンの今後

Salas氏は、セキュリティトークンが規制当局と投資家の間で広く受け入れられるためには、その機能と活発な取引の証拠を提供する必要があると考えています。 投資家保護の証拠を、カストディアンサービスと、法的な保護の観点から提供する必要があります。

CEZEXは著名な仮想通貨のカストディアンプロバイダーや、実績のある法定通貨のカストディアンプロバイダーと携わってきました。これらのカストディアンが保管するトークンや通貨は安全が確証されています。

「私たちはCEZEXを披露することのできるこの地域(CEZA)を見つけ、もしかすると他の地域でも、投資家と発行者の保護のケーススタディとして、今回の成功を生かすことができるかもしれないということを幸運に思います。」とSalas氏は述べました。

「セキュリティトークンを使って資金調達を行うことは今後普及していくでしょう。」とLynch氏は言います。「特にセキュリティトークンを扱う取引所が増加する場合、私たちはおそらく今後6〜12ヶ月の間にセキュリティトークンの勢いが加速するのを見ることになるでしょう。」

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