Korbot Labs:統計的アービトラージトレードBotを提供する韓国のフィンテック企業

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BitPR編集部は12月に行われたOKexカンファレンスにて、韓国ソウルに拠点に置くKorbot LabsのCFO:Joon Song氏にインタビューを行いました。機械学習やデータ解析に強みのある同社は、独自のトレーディングアルゴリズムを組み込んだ暗号通貨トレードBotを投資家やトレーダーに提供しています。

1. 韓国のフィンテック企業:Korbot Labsについて

出典:https://korbot.io/

Korbot Labs(以下、同社/Korbot社)は2014年に設立されたフィンテック企業です。OKexのベンチャーキャピタル部門である、OK Blockchain Capital から出資を受け、BithumbのCTO兼共同創業者のKeunil Wang氏や、Block Z CEOのJohn Hahm氏が経営ボードに名を連ねています。

Korbot社は機械学習による仮想通貨トレードアルゴリズムの開発、取引所APIを利用したトレーディングBotの提供など、個人投資家向けの事業を展開しています。現在は、出資を受けたOKexを含め、BinanceやBitrexなど、8つの仮想通貨取引プラットフォームに対応しています。

同社のトレーディングBot「Korbot WhaleSlayer」は2014年に提供が開始され、リスクを抑えつつも、高い水準を保つ(2017年は150%)収益性と、資産の預入が不要な安心設計から得られる信頼性で、韓国で最も利用されるトレーディングBotになり、現在は、約3500人もの投資家に利用されています。

同社は、今後、取引所APIによる外部接続だけでなく、取引所にログインしたユーザーがワンクリックで同社のトレードBotを有効にできる取引所内部でのサービス提供や、アルゴリズムトレードBotの開発者エコシステムの構築など、野心的な構想を持っています。

*免責事項:本記事は、Joon Song氏(以下、Song氏)へのインタビューをベースにBitPR編集部が記事を作成しています。BitPRはKorbot社の株式やトークンを保有せず、経済的な便益も受けていないことをここに表明します。また、同社のサービスについてはご自身の責任の下でご利用をお願いします。

2. 統計的アービトラージトレードBot「Korbot WhaleSlayer」とは

出典:https://korbot.io/

Korbot WhaleSlayer(以下、WhaleSlayer)のトレード手法のベースは、アービトラージ(市場間の価格差を利用しトレードを行う手法)です。

WhaleSlayerが特徴的なのは、一般的なアービトラージが取引所間で資産を移転することでトレードを執行するのに対し、WhaleSlayerは資産を取引所に置いたままでトレードを実行する点です。

WhaleSlayerは各取引所のオーダーブックを詳細に解析し、取引所間の価格差と流動性の把握し、統計的に収益性の高いトレード機会を認識し、トレードを自動実行します。

トレード対象の通貨は、BTC、BCH、ETH、EOS、XRP、USDT、KBOT(同社独自トークン)で、法定通貨を増加させるBotとビットコインを増加させるBotの2種類が用意されています。

このWhaleSlayerの特徴について、Song氏は以下のようにコメントしました。

“取引所間で資産を移転する方式のアービトラージでは、取引所の入出金のオペレーションの遅延によって絶好の取引機会を逸することがあります。また、ブロックチェーン特有の送金ミスや手数料の変動によるリスクも考慮する必要があります。総合的に、この手法が最も高いパフォーマンスを発揮することが分析の結果分かりました。この手法はStatistical Arbitrage Tradingと呼んでいます。”

その他にも、WhaleSlayerにはユニークな特徴があります。それは、以下の通りです。

  • WhaleSlayerの基本は損失を出さず、小さな利益を積み重ねること

WhaleSlayerはリスクを抑えた設計になっているそうです。リスクが高い状況下ではエントリーを行わず、アルゴリズムが認識した収益確度が高いタイミングで、高速にエントリーを実行します。小さな利益を積み重ねることで、安定的な右肩上がりの収益曲線を形成することを志向しています。

  • WhaleSlayerのユーザーは取引所に資産を置いたまま、Botにトレードを実行させることが可能

WhaleSlayerは取引所のAPIを利用します。WhaleSlayerを利用するユーザーは、対応する取引所に資産を預入し、APIを有効にした上で、Korbotにアクセスキーを提供します。この際、ユーザーはAPIの設定において、資産の引出や移転に関する機能を無効にします。Song氏によると、昨今は取引所のAPIの仕様が、外部サービスによる利用を想定し、このような安全な設定が可能になっているそうです。

この設定により、ユーザーは資産をKorbotに預けることも、移転の権限を移譲することもなく、Botトレードを行うことが可能です。BitflyerのLightning APIでもこの設定が可能です。

このような特徴をWhaleSlayerに持たせた理由についてJoon Song氏は以下のように語りました

“KorbotがトレーディングBotを提供する理由は、仮想通貨市場には大きな成長可能性があり、魅力的である一方、トレード難易度は非常に高く、95%の参加者が損をする構造になっているからです。投資家にとっても、その高いボラティリティはリスク資金を投じる彼らに眠れない日々をもたらしていました。WhaleSlayerはトレード機会を厳選することによって、リスクを抑え、安定的な資産の増加を目指しています。リスクが高い時にはエントリーを控えるので、投資家は安心して仮想通貨資産を保有することができます。また、この新しい市場でユーザーに信用されることは非常に難しいです。Korbotは信念に基づいて、自らを律するだけでなく、サービスやフィーの設計によっても、ユーザーから信頼を得ようとしています。例え、ユーザーがAPIの設定を間違えても、当社が資産を盗むようなことは決してないですが、それ自体が不可能な仕組みを提供することで安心を担保します。”

3. OKexとKorbot Labsの関係について

出典:https://korbot.io/

Korbot LabsはOKexのベンチャーキャピタルから出資を受けています。その関係性や、OKexから出資を受けることの意義について、Song氏に質問をしました。

BitPR編集部:OKexとKorbot Labsの関係について教えてください。

Song氏:KorbotはOKexから出資を受けました。OKexは一般的に暗号通貨の会社だと認識されていますが、私はフィンテック企業だと考えています。金融マーケットをよく理解し、他の暗号通貨取引所にはないプロダクトが多数用意されています。そのOKexから出資を受けたことで、当社がフィンテック企業として技術やビジネスにおいて有望であるという評価を市場から得ることができていると考えています。OKexは資本だけでなく、技術や、人材、インフラなど、他の領域においても積極的な支援を提供し、それは当社の早い成長につながりました。当社の事業との関係では、WhaleSlayerでOKexの先物を駆使していますし、新しくリリースされるPerpetual Swapも積極的に利用する予定です。当社の事業が成長することは、OKexにとっては顧客や取引量の増加につながり、両社は共通のインセンティブを持ち、力を合わせてお互いの事業を推進することができています。

参考:OK Blockchain Capital

4. 韓国の仮想通貨市場の動向や日本市場についてのイメージ

Song氏は、日本人と韓国人のハーフです。そんなルーツを持つ彼に、過去数年間、世界の仮想通貨市場を牽引した韓国と日本の市場について、質問しました。

BitPR編集部:日本と同様に大きな盛り上がりを見せた韓国の仮想通貨市場について、現在の状況を教えてください。

Song氏:他の市場と同じく、市場環境はよくありません。ICOはできなくなり、機関投資家は投資を止めています。IEOを選択するプロジェクトも増えていますが、調達は難しくなっています。このトレンドはマーケットが回復するまで続くでしょう。特に、2017年に立ち上がった多くの企業が苦しんでいます。淘汰が進み、優れた技術だけでなく、素晴らしいビジョンを持った企業が生き残ると考えています。

BitPR編集部:日本の市場に対して、どのような印象を持っていますか?

Song氏:MTGOXの頃から、日本市場のポテンシャルについては認識していましたが、2年前から特に日本に注目していました。日本は政府や企業の態度が健康的で、熱心に取り組んでいるプロジェクトが多い印象です。日本は、この市場をマーケットからインダストリーに進化させようとしていると、私の目には映っていました。アジアの中で日本の市場は特に重要で、日本のビットコイン価格が世界の市場に大きな影響を与えることを事業を通して目の当たりにしてきました。当社も、今後、日本市場への進出機会を伺っています。

BitPR編集部:日本のトレーダーに対してKorbotがトレーディングBotを提供することで、どのような価値を提供できると思いますか?

Song氏:端的に言うと、Korbotが提供するのは、ビットコインを保有しながらも、ヘルシーな生活を送ることができるソリューションです。(笑)ニュースが相場に影響を与えると思っている人は多いですが、当社のような数学的なアプローチをすると、日々のニュースや噂に振り回されることなく、投機ではなく、投資ができるようになります。

5. Song氏のバックグランドやミッションについて

出典:https://korbot.io/

BitPR編集部:次は、ご自身についてバックグランドやKorbotでのミッションを教えてください。

Song氏: 私は、日本の東京で生まれました。母が日本人です。小学生から韓国に移り、大学からアメリカのバージニア大学で経済と数学を専攻していました。在学中にビットコインを知り、教授とディスカッションをする中でチャンスを感じ、友人と事業化を決意し、韓国に戻りました。KorbotではCFOとして、IRと資金の管理や運用を任されています。

BitPR編集部:Songさんが、暗号通貨に惹かれた要因やキッカケを教えてください。

Song氏: 経済学を学んでいたこともあり、当初は、ビットコインの技術よりも、経済的な観点で、イノベーションに付随して生じる投機やお金の動きについて関心がありました。具体的には、大口投資家の心理や、彼らのマーケットでの動き、そしてバブルの形成です。教授とはバブルのような劇的な価格上昇が必ず起こるだろうと予想し、チャンスだと考えていました。その後は、暗号通貨やトークンエコノミーについて深く学び、学んだことをレクチャーする機会が増えました。レクチャーを通じて、損失を出している人が想像以上に多いことに気がつき、その人たちに向けて自分の経験や知見をまとめた本を執筆しました。現在の事業にも通じるところがあります。

BitPR編集部注釈:Song氏はCEOのJohn Hahmと共著で「The Last Coin」を韓国で出版、異なる性質の暗号通貨やトークンについて解説を行い、99%がなくなり、生き残る1%について予測を行った。

リンク(韓国語)

仮想通貨のトレード経験があり、眠れない夜を経験してきた筆者も、同社のソリューションには大変興味があり、今後の動向に注目しています。Korbot Labsは独自の分析アルゴリズムによる価格予想やシグナルをTwitterで配信しているので、トレードをされる方は、是非チェックしてみてください。

出典:https://korbot.io/

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