Polymath: セキュリティ(証券)トークンの発行プラットフォームを徹底解説

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Polymathの概要

Polymath(ポリマス)はイーサリアム上に構築された「セキュリティ(証券)トークン発行用プラットフォーム」です。数百兆円規模の金融証券をブロックチェーン上で扱うことを目指しています。

Polymathは現在の非効率でコストが高い資本市場のシステムに頼ることなく、「株式」「債券」「プライベートエクイティ」「VC (ベンチャーキャピタル)」など、あらゆる資産がトークン化され、取引される未来が訪れると考えています。Polymathはセキュリティトークンが、金融資産の分割所有を可能にし、流動性が乏しい(未公開株など)資産に流動性を提供すると考えています。

Polymath上で作成されたセキュリティトークンは規制に準拠することができます。 KYC (Know-Your-Customer) と法律/コンプライアンス上の制限機能がトークンに組み込まれているため、証券法に準拠しつつ取引所や交換プラットフォーム上でトレードされる可能性が生まれます。

セキュリティトークンとセキュリティ・トークン・オファリング(STO)

現在、米国証券取引委員会(SEC)が未登録のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に対して措置を講じており、他国の規制当局が追随するのは時間の問題です。 こういった規制当局のアクションが、ICOの動きを強く制限しています。

過去2年間に亘って多くのICOとユーティリティトークンは、証券法の回避策として設計されてきました。

ほとんどのICOと発行されたユーティリティトークンは規制を遵守しておらず、投資家保護が図られることも、価値が何らかの資産に裏付けされることもありませんでした。規制当局がこれらの企業やプロジェクトに通知を出し、規制の遵守を要求したことにはなんら驚きはありません。一方で、セキュリティートークンは規制が求めるレベルのコンプライアンスを実現します。

「セキュリティ(証券)」とは株式や債権などトレード可能な金融資産です。証券は、投資家に裏付け資産やキャッシュフローに対する法的な権利を与えつつ、投資家を保護します。例えば、株式は、投資家が会社の一部を所有し、決議への参加や配当を受け取ることを可能にします。

セキュリティトークンは、伝統的な手法ではなく、ブロックチェーン上のトークンを利用することで、これらの機能の提供を実現します。「 セキュリティ・トークン・オファリング(STO)」は、トークンを用いるという点でICOと特徴を共有すると同時に、規制に適合した証券トークンを用いる資金調達手段でもあります。

こうした理由から、セキュリティトークンは今後、急成長すると期待されています。 そして、今、この領域で必要とされているのは、セキュリティトークンをシンプルに、合法的に、安全に、簡単に発行できる取引プラットフォームです。

Polymathとは?

出典:https://polymath.network

イーサリアムが「ユーティリティトークンのためのプラットフォーム」になったように、Polymathは「セキュリティトークンのためのプラットフォーム」になることをより大きなスケールで目指しています。現存する何兆ドルの価値を持つセキュリティ(証券)をブロックチェーン上に移行させようとしています。

現在、世界の株式市場の時価総額だけでも約80兆ドルの規模を誇ります。 Polymathはトークンの発行からリーガル、コンプライアンス、調達プロセスまでをサポートし、トークンの発行者に選ばれるソリューションになろうとしています。 Polymath上で発行されたセキュリティトークンは、認定投資家法などの証券関連法に準拠しつつ、「配当の支払い」や「議決権の保持」等の機能を備え、従来のセキュリティ(証券)と同じ役割を果たします。

伝統的な金融業界では、ようやくブロックチェーン技術が採用され始めたに過ぎませんが、そういったアーリーアダプターが刺激となり、同業界内でのブロックチェーン技術のさらなる採用に繋がることをPolymathは願っています。

現在においても、プライベートエクイティやベンチャーキャピタル、そして一部の「株式」や「債券」でさえも流動性が低く、取引手数料が高い、あるいは単価が高いケースが往々にしてあります。 そういった現状を打破するべくPolymathは分割所有権の実現を通じて、より流動的で、安全で、アクセスしやすい証券の取引環境を実現しようとしています。

また、セキュリティ(証券)をトークン化することで、仲介者および非効率性を排除することに繋がり、証券発行およびその取引プロセスをスムーズにすることができます。このことで、証券発行が、より迅速で低いコストで行える様になり、投資家により安価な手数料での取引が提供されます。

こういった構想を実現させるため、Polymathはセキュリティトークンプラットフォームを構築し、あらゆるタイプの金融商品によって裏付けられた、規制準拠型の証券トークンの発行と取引を可能にしました。 同プラットフォームでは発行者(例:株や資産をトークン化する企業や組織)が、簡単にセキュリティトークンを発行し、カスタマイズできるよう、様々なモジュールやスマートコントラクトを選択し利用できる「モジュール設計」を採用しています。

現在、Polymathはイーサリアムのブロックチェーン上に構築されています。 Polymathのプラットフォーム上で発行されたセキュリティトークンは独自の「ST-20」規格に準拠しており、トークンの保有者に議決権や配当の実施など、様々な機能が提供されています。またこれらのトークンを用いて、部分的な会社の資産や利益の所有を表すこともできます。

Polymathでは、セキュリティトークンと利用可能なモジュールは以下のレジストリによって管理されています。

  • ティッカーレジストリ
    同レジストリで、トークンシンボルを予約することが可能
  • セキュリティトークンレジストリ
    同レジストリで、Polymath上で発行された全てのトークンを記録可能
  • モジュールレジストリ
    同レジストリでは、トークン転送のルール、販売/購入要件の定義、配当分配ルールの定義など、トークンに特定の機能を追加するために使用できる「モジュール」が保存されています。 これらモジュールは、トークン発行者がいつでも自身のトークンに機能として追加、アップグレード、削除できる「アドオン」のようなものです。

さらに、Polymathのさまざまなパートナー(下記の「提携先」の項を参照)によって、堅実なコンプライアンス、安全性、および流通市場へのアクセスが提供されるでしょう。

Polymathは4つのレイヤーで構成されています:

  • レイヤー1:イーサリアム
    PolymathのToken Studio dApp、スマートコントラクト群、およびST-20プロトコルは、イーサリアム上に構築されています。
  • レイヤー2:ST-20プロトコル
    ST-20プロトコルは、送信制限を設定できるセキュリティトークンの発行を可能にします。 さらにはトークンの移転先における制限の設定、また発行市場と流通市場のそれぞれにおける移転条件の制御も可能にします。 このレイヤーには、レジストリとモジュールを含むPolymathのコアアーキテクチャも含まれています。
  • レイヤー3: Polymath トークンスタジオ
    Token Studioは、カスタマイズ可能なセキュリティトークンを発行し、カスタマイズされた独自のセキュリティ・トークン・オファリング(STO)を行うことができる分散型アプリケーションです。
  • レイヤー4:マーケットプレイス
    セキュリティトークン発行者が利用できる「STOスマートコントラクト」と「モジュール」を提供してくれます。 モジュールはセキュリティトークン(例:配当、投票)をカスタマイズするために利用されます。 同マーケットプレイスはまもなく一般のデベロッパーにも開放される予定です。

発行者は以下のプロセスを経る必要があります:

  1. トークンシンボルの登録
  2. サービスプロバイダーの選択(例:リーガル、KYC、カストディアン)
  3. トークンの作成
  4. トークン提供方法詳細の設定
  5. 投資家のホワイトリスト作成

Polymathによるこちらのブログ記事で、セキュリティトークンの作成方法に関するガイドご覧いただけます。

出典:Polymath Medium blog (Link)

POLYトークン

PolymathではERC-20のユーティリティトークンである「POLY」が基軸通貨として使用されています。 また、ポリマスのICOは初めてSECに登録されたICOであることで有名です。

イーサリアムネットワークではETHが使用されるのと同じように、PolymathネットワークでPOLYは以下のように使用されます。:

POLYの使用例
  • トークン発行者
    サービスプロバイダとデベロッパーへのトークン発行に関するサービスに対しての支払い。ティッカーシンボルの登録、トークンの作成、STOのセットアップに対しての追加的な料金の支払い。
  • デベロッパー(開発者)
    STOスマートコントラクト作成の報酬金として受領。
  • KYCおよび他サービス提供者
    投資家の認証作業、および法律関係サービス等の提供報酬として受領。
  • 投資家
    KYCサービス提供者への自身の認証作業、ホワイトリスト登録料として支払い。

サービス提供者への報酬はPOLYで支払われますが、報酬額自体はトークン発行者とサービス提供者の間で直接交渉できるため、報酬料はPOLYトークンの価格変動から影響を受けにくくなっています。

その他POLYでPolymathに支払可能な料金リストはこちらです。

ポリマスのST-20(ERC-1400)トークン規格

Polymathではセキュリティトークンの規格として「ST-20」を開発しました。この規格は、イーサリアムのERC-1400規格をベースに標準化されています。この規格に基づけば、認証された投資家のみがトークンの保有/取引を行うように制限を設けることができます。

さらに、ERC-1400トークンはERC-20と後方互換性があります。 そのためERC-20トークンを保管・管理できるウォレットで、ERC-1400トークンも同様に保管・管理することができます。

イーサリアムがERC-20規格を確立した後、瞬く間に業界のスタンダードになり、同規格を用いて数多の企業がイーサリアム上でトークンを発行しました。PolymathがST-20規格も同様に標準になり、セキュリティトークン発行において同様の役割を果たすことを期待しています。

ST-20規格にはKYCとAML(アンチマネーロンダリング)に必要な機能が実装されています。このKYC対応のトークン技術は、独自のスマートコントラクトとホワイトリスト作成技術を用いて、認証された個人や団体にトランザクションの対象を制限することができます。 またホワイトリスト上に保存された認証済みの個人・組織のウォレットのアドレスはオンチェーンでスマートコントラクト内に保存されますが、その他の個人情報はトークン発行者または指定されたKYCプロバイダによってオフチェーンで保存されます。

トークン発行者・投資家へ向けたPolymathのソリューション

トークン発行者はPolymathを使用することで、簡単かつ安全に独自のセキュリティトークンを発行することができ、さらに流通市場へのアクセスも可能になります。投資家もまた、従来のような証券市場からの保護を受けつつ、流通市場でセキュリティトークンを取引をすることが可能になります。

柔軟な払込手段

トークン発行者はETHまたはPOLY通貨(計算上は米ドルなどの法定通貨扱い)で資金調達を行うことができ、トークン発行者を仮想通貨のボラティリティから守ることができます。

さらに投資家は法定通貨に価格固定されたETHまたはPOLYのいずれかの通貨で投資することができ、将来的にはステーブルコインでも投資が可能になります。

Polymathのスマートコントラクト

Polymothのスマートコントラクトを使って、投資家から支払われる払込金を、トークンの発行者が受け取ることを確実にします。トークン発行者がスマートコントラクトで規定されている義務(認定された法定代理人と共同開発したもの)を履行すると、直ちに投資家の払込金はトークン発行者へ自動的に移転されます。

スマートコントラクトによってプロセスの大部分が自動化されているため、取引・約定に関わるトラブルを最小限に抑えることができます。

投資家とトークン発行者双方の義務は、スマートコントラクト上で定義されているため、トークン発行者が法に逸脱する行為をしたり、合意事項を履行しない場合でも投資家の権利は保護されます。

また、トークン発行者は任意で「強制転送(Forced Transfer)」を実行することができ、裁判所の命令に従うといった理由で、トークンの強制的な送信を保有者に強いることもできます。

ホワイトリスト

認証された(またはホワイトリストに載った)投資家だけが資金を提供することができます。 投資家は第三者のKYC / AMLプロバイダによって検証され、詐欺やマネーロンダリングのリスクを排除します。

Polymath Core バージョン2.0.0

Polymathは2018年11月22日に「Polymath Core Ver. 2.0.0」をリリースし、多くの新機能を導入しました。

Ver. 2.0.0は以前のバージョンPolymath Core Ver. 1.3.0とは後方互換性がありません。 そのためPolymathはVer. 1.3.0(2018年11月22日)以前にセキュリティトークンを発行した企業に対し、Ver. 2.0.0への移行をサポートします。 Ver. 2.0.0以降に新しいトークンを発行された方は直ちに新しい機能を利用することができます。

ステーブルコインでの資金調達

トークン発行者は現在、ETH、POLYに加えてDAIなどの法定通貨(例:米ドル)に価格がペグされたステーブルコインで資金調達することができます。トークン発行者はトークン価格を米ドルで設定しますが、ETHまたはPOLYといった仮想通貨を受入することもできます。こういった機能は、「USDTieredSTO(米ドルペグ型セキュリティ・トークン・オファリング)」スマートコントラクトにより可能になりました。

PolymathはMakerDAOからETH/USDの価格フィードに加え、POLY/USDの価格フィードも取得します。

セキュリティ・トークン・オファリングの計算方法を法定通貨価格に固定することにより、トークン発行者は仮想通貨のボラティリティから守られます。そのためトークン発行者は、仮想通貨の交換レートを随時更新する必要はありません。

強制転送(Forced Transfer)

強制転送機能はトークン発行者に事前に定義されたルールや制限に関係なく、アカウント間でトークンを移転することを可能にします。

分散化の概念が理想的とされている仮想通貨の世界では、強制転送機能の実装が物議を醸しています。 ただし実際には強制転送機能は、いくつかの条件に該当した場合にのみ使用されます。 例えば、株主が亡くなった場合や死亡した株主からその家族または他の代理人に証券を転送する場合など、特別な場合にのみ実行されます。 この機能により、株式などの強制譲渡を要求する裁判所の命令にも従うことができます。

またトークン発行者は、この機能にアクセスするために第三者の代理人(例:法定代理人)を指名することもできます。そして、トークン発行者は強制転送機能を永久的に無効にすることも可能です。

配当への源泉徴収と特定ウォレットアドレスの除外について

Ver. 1.3.0にはETHまたはERC-20トークンで配当を分配するためのモジュールがすでにありましたが、Ver. 2.0.0にはさらに2つの追加機能が存在します。

  1. 源泉徴収
    トークン発行者は、投資家から徴収するETHまたはトークンの量をコントロールすることができます。 源泉徴収された残高は関連する税務当局に転送されます。 将来的により多くの税務機関が仮想通貨で納税を受け入れることが期待され、この機能が役立つことが期待されます(例:Overstock.comのオハイオ州でのビットコインでの事業税の支払いについて)。
  2. アドレスの除外
    トークン発行者は、特定の配当受領者のウォレットアドレスを除外することができます(例:発行者自身のトークン・リザーブ・ウォレットなど)。

スマートコントラクトのアップグレード可能性

Polymathはスマートコントラクトをデプロイし直したり、古いデータを移したりせずに、新しい機能を追加できるよう開発してきました。

SecurityTokenRegistry(セキュリティ・トークン・レジストリー)ModuleRegistry(モジュール・レジストリー)スマートコントラクトは、インプレースアップグレード(プログラムが稼働中でもアップデートできる機能)をサポートしています。 こういったアップグレードでは、スマートコントラクト上のデータ自体は一切変更することなく、ロジックのみを更新することにより機能を追加しています。

Polymath の競合

日々新たな競合企業がセキュリティトークンの発行・取引事業に参入しており、同業界内でも適者生存の状況になると予想されます。

また、セキュリティトークンプラットフォームを開発している多くの企業同士でシナジーが生まれ、協力可能性の高いセキュリティトークンエコシステムが構築され、セキュリティトークンの普及が加速することもあり得るでしょう。現に、実際に競争関係にあるのは、証券をSECに登録するという古典的な手法であり、これは非常に厄介な問題です。

Polymathと競合関係にある他のブロックチェーン企業はこちらです:

  • Harbor(ハーバー)
    Harborは、未上場の証券をトークン化する、規制に準拠したトークン化プラットフォームを提供しています。 証券法のコンプライアンスを完全に自動化するために、Harborは独自の、「Rトークン」を開発しました。これはERC-20トークンの規格を踏襲しています。これにより、KYC、AML、およびその他のコンプライアンスに関連する機能をトークン内に埋め込むことができます。
  • Neufund(ノイファンド)
    Neufundはセキュリティトークンの一つである「エクイティトークン(企業の株式をセキュリティトークン化)」を発行できるブロックチェーンプラットフォームです。スマートコントラクト技術を用いることで、トークン発行者と投資家がより安全に関係を構築できるようになることを期待しています。
  • Swarm Fund(スワーム・ファンド)
    Swarm Fundは分散型投資プラットフォームです。 同サービスを通じてあらゆる規模の投資家がプライベートエクイティ投資に参加できるようになります。 最近では、仮想通貨プロジェクトのStellarと提携し、Swarmの基礎となるブロックチェーンレイヤーをサポートしています。
  • Securitize(セキュリタイズ)
    Securitizeは、ファンドや企業などの資産保有者が自身が保有する資産をトークン化することを可能にます。 同社のデジタルセキュリティ(DS)プロトコルを使い、トークン発行者と投資家、そして取引所に、デジタル証券のライフサイクルを通じてコンプライアンスソリューションを提供します。
  • tZero(ティーゼロ)
    tZeroは代替取引システム(ATS)を開発しています。 同社のサービスにより仲介者を排除することでブロックチェーン上での証券取引を可能にし、取引約定を簡易化すること、記録管理を改善すること、さらにトレーダーに使いやすいフロントエンドシステムを提供することで、取引プロセス全体を迅速かつ安価にしようとしています。 Polymathの直接的な競合ではなく、逆にPolymathはtZeroにセキュリティトークンの設計、経済モデル、およびtZeroトークンの配布方法等に関して助言しています。

提携先(パートナーシップ)

Polymathは、業界の成長を牽引し、ユーザーに不可欠なサービスを提供してくれるであろう数多くの企業・組織と提携しています。

OpenFinance Network (OFN)

OFNは米国を拠点とするセキュリティトークン取引所です。 Polymathとの提携により、Polymathで発行されたセキュリティトークンがOFNで即時上場・トレードすることが可能になります。セキュリティトークンのセカンダリーマーケットにおける流通性を向上します。

Trustroot(トラストルート)

Polymathにおいてトークンの発行者、Polymathのエスクローサービス、投資家のアカウントを検証する機関として提携を開始しました。 同社は企業の詳細なバックグラウンド調査と法的な企業登録の確認、ウォレットの所有権等の検証を通じてプロフィール認証サービスを提供します。(リンク)

IdentityMind(アイデンティティマインド)

KYCおよびAMLプロセスを効率化するためにPolymathと提携を開始しました。 同社は銀行や決済サービスプロバイダに「KYC」「AML」「不正防止」サービスを提供するブロックチェーンプラットフォームです。

Selfkey(セルフキー)

適格投資家 (Accredited investor) にKYCサービスを提供するためにPolymathとの提携を開始しました。 同社は各ユーザーを検証しKYCプロセスを容易にするブロックチェーンベースのID管理システムを提供しています。

Polymathのトークンコントラクトとは

本稿執筆時点で、Polymathには75を超えるセキュリティトークンコントラクトが作成されています(※Polymath Network Telegramグループ参照)。

「Corl Financial Technologies」「SeriesX」「Ethereum・Capital」はPolymath上でセキュリティトークンを発行予定です。 彼らは「Minthealth」「7Pass」「IPwe」「BlockEstate」などPolymathでセキュリティトークンを発行した企業の仲間に加わる予定です。

リスクと今後

セキュリティトークンの業界は日々進化しています。 Polymathのような独自トークン発行プラットフォームは今後、さらなるトークン発行者と投資家が参入するにつれて新たな問題に直面することが予想されます。

POLYトークンの必要性

Polymathネットワークを機能させるには、本当にPOLYトークンが必要なのでしょうか? もうすでに普及しているETHを代わりに使用することはできないのでしょうか?

例えば、Polymathの競合であるHarbourではネイティブトークン(ブロックチェーンプラットフォームで使われる独自トークン)を必要としません。 ETHやステーブルコインなどの通貨を使用せず、ユーザーにPOLYの使用を強要することは、セキュリティトークンプラットフォームの利用を阻害する要因の一つにもなり得ます。

ユーザーが強くPOLYを使用したいと思っていなければ、同トークンの需要が増えることはありませんし、そのことで更に、デベロッパーやサービスプロバイダもPolymathネットワークに参加し難くなります。

誰が法的責任を負うのか?

Polymathは前述のように、多くの提携企業を持ちますが、同時にKYC、AML、コンプライアンス、安全性を第三者機関が提供するサービスに大きく依存しています。 こういったスペシャリストとの提携はビジネス上大きな意味を持ちますが、いざ問題が発生した場合にどの当事者が法的責任を負うかについて曖昧さが生じます。

もしセキュリティトークンが違法に取引されていることが判明した場合、どの機関・企業が処罰されるべきなのでしょうか? 投資家を検証した企業なのか、Polymath自身なのか?さらに各当事者はどのように罰せられるべきなのでしょうか?また管轄区域や国境を越えてどのように解決されるべきなのでしょうか?

セキュリティトークン自体まだ発展途上であり、時間が経過しないと出現しないような法的な問題を今から予測するのは困難です。 Polymathのような新興企業が複数の法的問題に直面する可能性は大いにあり、同社を消耗させ、成長を阻害する可能性もあるでしょう。

規制の不確実性

ブロックチェーン・仮想通貨・デジタル資産に対する世界規模での規制は、未だ断片化しており、ゆっくりと進展しているのが現状です。 規制当局はセキュリティトークンを扱うために、伝統的な証券法を改正していく必要があります。

セキュリティトークン規制の分析は、この記事で扱うには大きすぎるトピックです。 同規制の詳細が知りたい方はこちらの「セキュリティトークンアカデミー:各国暗号通貨規制のタイムライン」をぜひご覧ください。

現段階では、規制や法律の変更によってPolymathが今後どのように影響を受けるのかを予測するのは困難です。最悪のシナリオとして、規制当局からの圧力や、重大なハッキングなどが生じた場合、Polymathのビジネスモデルの中核を脅かす可能性はあります。しかしながら、Polymath自身のICOが規制に準拠し、SECに登録され、一定の信頼をSECから得ているため、 Polymathの経営陣が変化し続ける規制に対応する意欲と能力を有していると考えることができます。

Polymathの将来性

Polymathのポテンシャルは大きく、この業界は萌芽期であるにも関わらず、彼らの技術は既に(ほとんど)構築されています。 セキュリティトークンを発行したい企業はブロックチェーンのエキスパートになる必要はなく、Polymathの開発者とサービスプロバイダのネットワークを利用するだけで、独自のトークンを発行し、カスタマイズすることができます。

しかしながら、他のブロックチェーンスタートアップと同様に、Polymathも普及や拡大を通じて、自らを一流の企業として証明していかなければならず、優良企業をトークン発行者として惹きつけること、そして十分な開発者とサービスプロバイダを抱える必要があります。

最も重要なことは、一般投資家が未公開株やベンチャーキャピタルファンド、その他の複雑な金融商品を裏付けにして発行されたセキュリティトークンに投資できる日は来るのか、ということです。それとも、このような機会は、現在の資本市場のように、プロ投資家もしくは、適格投資家だけに限定されたままなのでしょうか。

現行の規制では、残念ながら個人投資家がこういった機会の大半で、投資をすることは禁じられており、当面はこういった規制が存在し続けると予想されます。 例外規定であるRegulation A +の下で、新興民間企業がSECに申請するケースなど、未公開企業が個人投資家から資金を調達するケースはありますが、依然としてごく少数です。

将来、もし新たな規制により、個人投資家が、これまで適格投資家に投資機会が限定されていた資産クラスに投資することが可能になった際には、セキュリティトークンが大きく普及すると期待できます。

免責事項:イニシャル・コイン・オファリング、仮想通貨、およびデジタルトークンへの投資は、非常にリスクが高く投機的です。ここに示す資料は、情報提供のみを目的としています。ここに示す情報は、投資アドバイスを提供することを意図したものではなく、いかなる企業、イニシャル・コイン・オファリング、またはデジタルトークンを推奨するものでもなく、いかなる投資判断や戦略の基礎として見なすべきではありません。

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