tZERO:アメリカにおけるセキュリティトークン取引プラットフォームの先駆者

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この記事はBitPR英語版記事の翻訳記事です。英語版はコチラ

tZEROとは?

tZEROはブロックチェーンと分散型台帳技術を基盤に、オルタナティブ・トレーディング・システム(ATS/代替取引システム)とダークプールの開発を行っています。tZEROは以下の問題を解決することで、伝統的な資本市場システムの代替手段としてのポジションを確立しようとしています。

  • 企業が、自らのビジネスによって価値が裏付けられたセキュリティトークンを発行することによって、容易に資金調達を行うことが出来るようにする
  • トレードにおけるセキュリティ強化と約定時間の高速化を行う
  • トレードや資金調達プロセスから、仲介者を排除することで、トレーディングコストを削減する

一般的に、セキュリティトークンは、他の伝統的なアセットやビジネスによって、その価値が裏付けされるデジタルアセットです。
例えば、金、不動産、会社の株式が、主にセキュリティトークン化されます。

tZEROのセキュリティトークントレードプラットフォームは、公開企業及び未公開企業が、STO(セキュリティトークンオファリング)を通じて、資金を調達する機会を提供します。また、投資家に、セキュリティトークンのトレードが可能な、規制に準拠したプラットフォームを提供しようとしています。まず、tZEROは、tZEROトークンの保有者が非適格投資家へ売却を行うことが出来るトレーディングプラットフォームを、2019年の8月6日までに立ち上げることを目標としています。


セキュリティトークントレード用のtZEROのインターフェイス。
出典:tZERO公式YouTubeビデオ

tZEROは、支払い方法の一つとして、初めてビットコインを採用した主要なオンライン小売業者の一つであるOverstock社の子会社です。tZEROは2018年8月6日に、米国証券取引法に準拠し、tZEROセキュリティトークン(Preferred Stocks)を売り出す、セキュリティ・トークン・オファリング(STO)を終了しました。報告によると、このSTOでは、世界中の1,000人以上の投資家から1億3,400万ドルもの資金を調達しました。tZEROはこの資金を利用してトレーディングプラットフォームを開発する予定です。既にセキュリティトークンは発行され、2018年10月12日には投資家へカストディアルウォレットが交付されました。

tZEROトークンは純粋に、資金調達手段として利用されました。これまでのところ、tZEROトークンはプラットフォーム上での具体的な利用方法は無く、トレードにおいても必要とされることはありません。ERC20準拠のこのトークンは、四半期ごとに調整された総収益の10パーセントをトークン保有者へ支払い、これは実質的な配当と言えます。分類をするとすれば、配当がもらえるセキュリティトークンです。

米国証券取引法に則り発行されたtZEROトークンは、90日間に亘って(2019年1月10日まで)カストディアルウォレット内にロックアップされます。ロックアップ期間終了後に、トークン保有者は、現在準備中のtZEROのトレーディングプラットフォーム上で、他の適格投資家とトレードを行うことができるようになる予定です。また、新たな適格投資家は90日の期間終了後、アカウントを開くことが出来るようになります。


TZero’s interface for trading security tokens. Source: company video

tZEROは伝統的な資金調達やクラウドファンディングの代わりとなることは可能か?

tZEROのプラットフォームは、分散型台帳技術と既存の金融市場プロセスを統合し、その流動性を増やし、トレードに要する時間とコストを削減することを計画しています。そして更なるトランザクションの効率性や透明性、監査可能性の向上を求めています。このプラットフォームは将来、規制下で、登録された多くのセキュリティトークンのトレードをサポートし、従来の金融フレームワークの外で資金調達ができる新たな方法を企業へ提供します。

これまで、資金調達をしようとする企業は株式公開(IPO)を通じて株式の売却を行い、また、スタートアップの場合はベンチャーキャピタルファンディングを頼ってきました。

IPOの実施に際しては、証券規制への適合や、金融サービスの仲介機関との協働などを含めて、とても長いプロセスを経る必要があります。
このことで、株式資本市場へのアクセスを望むほとんどの中小企業やスタートアップにとっては、IPOによる調達機会には、ほとんどのケースでアクセスすることができません。

ベンチャーキャピタル市場へのアクセスは、スタートアップにとってとても競争が激しいです。
また、ベンチャーキャピタルによって資金を調達することは、往々にしてスタートアップに、その支配権を犠牲にすることを要求します。

ベンチャーファンディングよりも簡単な資金調達方法の一つとして登場した、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)は2017年に急増しました。ICOを利用することで、スタートアップはユーティリティトークンを発行し、持ち株や支配権の一切を犠牲にすることなしに、数千万ドルもの資金を調達することが出来ました。実質的に、ICOはスタートアップが証券法を回避して資金調達することを可能にしたのです。しかし、ユーティリティトークンは証券として登録されておらず、企業の資本や利益に対する請求権を持たないため、投資家を保護しません。ユーティリティトークンの価値は、運営されるビジネスに紐付けされる必要がなく、これは投資対象としての魅力を減少させます。これらのトークンは当局によって登録されていない証券として取り扱われる恐れがあり、無価値になる可能性もあると言えるでしょう。

規制に準拠したセキュリティトークンの発行によって、資金を調達することは、理論的には従来の資金調達方法やICOの代替案としてより魅力的です。ユーティリティトークンとは異なり、セキュリティトークンはビジネスやアセットに価値を裏付けられ、トークン保有者が規制に基づいて配当や議決権を得る権利があります。

tZEROのプラットフォームはブロックチェーンを利用することで、トレード後のセットルメント時間を高速化し、企業がよりいっそう容易に資金調達出来るようにし、セキュリティトークンの安全なトレードを可能にしようとしています。このプラットフォームでは、買い手と売り手がダークプールを通じて、トレードを行えるようになるため、投資家がオーダー数などの情報を公開することなくオーダーやトレードを行うことも出来ます。tZEROは買い手と売り手の直接接点としての役割を果たし、それぞれのトランザクションはセキュアに分散型台帳に記録され保管されます。

tZEROの戦略的パートナーシップ

中国のPEファームであるGSR Capitalは、tZEROへ2億7,000万ドルの出資を実行しました。総投資額は4億400万ドルに達し、tZEROは15億ドルのバリュエーションがされた可能性があると報じられています。

また、tZEROとBOX Digital Markets LLC (BOX Digital) は、規制に適合したセキュリティトークン取引所を立ち上げるジョイントベンチャーについての発表を行いました。BOX Digitalは、規制当局の承認を得てセキュリティトークンマーケットの運営をするために、専門知識と人材を提供することを計画しています。

tZEROの課題

tZEROのトークンセールは2018年2月にSECによってレビューされました。親会社のOverstockは、SECが2017年に実施したICO市場調査の一環として、「オファリングとトークンに関するドキュメント」を要求したことを明らかにしました。

SECからのペナルティーはありませんでしたが、投資家たちはトークントレード全般において、SECが注意を払い続けていることに気が付くべきでしょう。セキュリティトークンとSTOに対する、SECの規制整備は進められており、厳格な規制がセキュリティトークンのトレード全般に影響を与えるかもしれません。

コダックコイン (KodakCoin) のようにtZEROに上場することが確定したもの以外で、tZEROには十分な数の企業やセキュリティトークンが存在するのかどうか現時点では不明です。また人々は、tZEROがユーティリティトークンも追加するのかということや、パイプラインに存在する、どの企業がトークン化した証券を、tZERO上で取り扱い始めるのか、ということも知りたいと考えています。これらの質問の矛先はtZEROとその競合にも当てはまります。

tZEROの競合

現在、セキュリティトークンとアセットバックトークンの取引を行うことが出来る、確立された取引所はほとんどありません。
今後、この状況は目まぐるしく変わるでしょう。そして、多くの伝統的な金融資産の取引所や暗号通貨取引所がこのマーケットへ参入する模様です。

やがて、tZEROと競合するであろう取引所は以下の通りです。:

  • バイナンス(Binance):世界最大規模の仮想通貨取引所。Malta Stock Exchangeと提携し、マルタにてセキュリティトークンの取引所を立ち上げる計画。
  • OKEx:同様に、Malta Stock Exchange、ドイツのブロックチェーンプラットフォームであるNeufendと提携し、OKMSXと呼ばれるセキュリティトークン取引所の立ち上げを計画している。
  • CEZEX:おそらく、アジアで初となるトークン化されたセキュリティトークンエクスチェンジ。
  • Templum Trading:tZEROとよく似た、規制に適合したATSを計画中。

その他にも、Coinbaseを含めた様々な企業の参入計画を耳にします。

これらの競合の中からどの取引所がセキュリティトークントレードマーケットで、より多くのシェアを獲得するのか、今後の展開が興味深いですね。

tZEROについてさらに詳しく知るために公式サイトをチェック:https://www.tzero.com/

セキュリティトークンやSTOについてはこちらの記事をご参照ください。
STOの衝撃 / セキュリティトークンが起こす金融アセット革命
https://bit-pr.com/sto-security-token/

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